こゆきさん(撮影/写真映像部・和仁貢介)

「東京の学校にいたころは、クラスが学級崩壊していて、自分がいじめられて大変だった時期もありました。私は器用になんでもできるタイプではなくて、得意不得意がはっきりしています。例えば、芸術方面や運動は苦手でした。とくに運動は、生まれつき片目が見えないこともあって、球技が壊滅的にできないんです。だから、『浮いている』というだけでいじめの標的になりやすくて。からかう理由なんて、何でもいいんですよね」

 その後、こゆきさんは中学校に進学。いじめの標的にされることはなくなったが、対人関係ではまた違った難しさを感じるようになった。友人と考えが対立したときに、相手を「論破」してしまうことがあったのだ。

「印象的だったのが、中学のクラスメートと口げんかをしたときのこと。私が正論で追い詰めると、怒った相手が私に手をあげたんです。それを見た先生に『確かに手を出した友だちも悪いけれど、正論で友だちを追い詰めたあなたも悪い』と怒られてしまって……。私は普通に口げんかをしているつもりだったので、『納得いかないな』と思いました。自分の素を出して、フルパワーでしゃべれる相手がおらず、疎外感につながっていました。自分が集団に合わせないといけない……と悟っていました」

 家庭にも学校にも居場所のなさを感じていたこゆきさん。しかしその後、ある場所が彼女の救いとなった。後編では、その救いとなった場所、予想外だった高校生活、不適合を乗り越えた今思うことを聞いた。

(岡本拓)

※【後編】<IQ139「ギフテッド」の女性が「正論で友達を追い詰めた」過去から学んだこと 「他者に寄り添うために能力を生かしたい」>に続く

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