チームの外野事情を見て見ると、センターの近本光司とライトの森下翔太が固定されており、ノイジーが不安定なレフトも前川右京、井上広大、小野寺暖といった選手が控えており、なかなか豊田には声がかかりづらい状況となっている。まだ入団して3年目ではあるものの、今年で27歳ということを考えると、残されたチャンスは決して多くはない。本人のことを考えても、出場機会をより得られそうな球団へ移籍することを検討しても良さそうだ。
昨年もシーズン途中で移籍した斎藤綱記(日本ハム→中日)や郡司裕也(中日→日本ハム)がトレードをきっかけにブレイクし、オフに移籍した高橋礼、泉圭輔(ともにソフトバンク→巨人)も欠かせない戦力となっている。今後も彼らのように、トレードをプラスに変えて飛躍する選手が多く出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。