しかし今年はここまで3試合に先発するも、いずれも試合を作れずに0勝2敗、防御率11.32という成績に終わっている。5月23日のオリックス戦では2回を持たずに6失点で降板し、即二軍降格となった。日本ハムとしても左の先発として貴重な存在だったが、今年はフリーエージェント(FA)で上原の明治大の先輩でもある山崎福也が加入しており、加藤貴之と2人計算できる左腕が揃っている。上原自身の今年の投球は確かに不安定だが、二軍での成績を見るとまだまだ余力は感じられるだけに、左投手が不足している球団にとっては面白い存在と言えそうだ。
セ・リーグで首位争いを演じている広島では中村奨成の名前を挙げたい。プロ入り4年目の2021年には一軍で15安打、2本塁打を放って才能開花を予感させたが、それ以降は再び低迷。昨年は故障もあって一軍でわずか3安打、打率.150という寂しい成績に終わっている。今年から外野手登録となり、背番号も22から96に変更となるなど勝負のシーズンと言えるが、ここまで一軍では3試合の出場で4打数0安打と結果を残せずに二軍暮らしが続いている。その間にチームは末包昇大が外野の一角に定着し、他にも宇草孔基、田村俊介、久保修などライバルが多いことを考えると、一軍定着は簡単ではないだろう。ただ二軍ではここまで3割を超える打率を残していることを考えると、まだまだ飛躍の可能性はあるはずだ。甲子園のスターだけに、移籍がきっかけでブレイクとなれば話題性も大きいだろう。
日本シリーズ連覇を目指す阪神でもったいない存在となっているのが3年目の豊田寛だ。日立製作所から2021年のドラフト6位で入団。大学卒の社会人選手ということで早くから一軍の戦力として期待する声も多かったが、怪我もあって過去2年間で一軍では7打数0安打に終わっている。しかし二軍では2年目から着実に成績を上げ、今年もここまで3割を超える打率をマークするなど結果を残しているのだ。