高校時代から打撃力にも定評があった巨人・山崎伊織
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 5月18日に行われたDeNAと中日の試合(横浜スタジアム)で、一つのプレーが大きな話題となった。2回裏のDeNAの攻撃で、この日の先発投手である中川颯がライトスタンド中段へ飛び込むツーランホームランを放ったのだ。中川はこの1週間前に行われた11日の阪神戦でもライトポール際への特大ファウルを放っており、いずれの打球も打者顔負けのものだった。

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 中川は投手でありながら桐光学園時代には1年秋から中軸を任されており、立教大でも打率こそ高くなかったものの、度々鋭い当たりを放って打者としても非凡なものを見せていた。また中日では一昨年から投手に転向した根尾昂がなかなか結果を残せず、再び野手にした方が良いのではないかという声もあがっている。そこで今回は投手でありながら、アマチュア時代に打者として非凡な才能を見せていた選手を紹介したいと思う。

 まずセ・リーグでバッティングの良い投手の筆頭と言えるのが森下暢仁(広島)だ。大分商では内野手としてもプレーしており、2年時までは野手として注目する声もあったという。明治大でも3年春には22打数9安打(二塁打4本)、9打点、打率.409をマーク。4年間での通算成績を見ても102打数29安打、打率.284という野手顔負けの数字を残している。

 バッティングはもちろんだがフィールディングにも素晴らしいものがあり、オープン戦などではショートでも出場している。プロ入り後も3年目の2022年には投手としてリーグ最多の11安打を放ち、昨年はプロ初本塁打もマーク。今年もここまで13打数4安打、打率.308という見事な成績を残しているのだ。仮に野手に専念していたとしても、プロで名内野手となった可能性も十分にあるだろう。明治大の森下の先輩である柳裕也(中日)も大学時代から打撃の良かった選手として知られている。森下には及ばないもののリーグ戦通算19安打、打率.209というのは投手として立派な数字だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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