セ・リーグでもう1人名前を挙げたいのが巨人のエース格へと成長した山崎伊織だ。明石商時代は吉高壮(現・日本生命)の控え投手であり、外野手として出場することが多かった。3年夏の兵庫大会準々決勝、神戸国際大付との試合でも1番、レフトで出場。現在チームメイトである平内龍太と対戦し、3安打を放つ活躍でチームの勝利に貢献している。当時はかなりの細身だったが、全身を使ってスイングすることができておりヘッドスピードも速く、広角に打ち分けるバットコントロールにも光るものがあった。今シーズンもここまで打率は.100ながら、放った2安打はいずれもタイムリーであり、高い集中力を見せている。今後も自らのバットでの援護も期待できそうだ。
まだプロでの実績はそれほどないものの、打者としても高いポテンシャルを見せているのが西純矢(阪神)だ。創志学園2年夏に出場した甲子園では2試合で3安打を放つと、3年時に出場したU18W杯でも登板しない時は指名打者として起用され、4試合で12打数6安打、2本塁打と本職の野手を上回る見事な成績を残している。プロでも今年はここまで一軍出場はないが、一昨年はホームランを放ち、昨年も5安打、5打点を記録している。本業のピッチングでまず結果を残すことが求められるが、打席に入った時にはそのバッティングにもぜひ注目してもらいたい。
普段指名打者制度のあるパ・リーグでは投手が打席に立つ機会は少ないが、その中で圧倒的な存在感を示しているのが山崎福也(日本ハム)だ。日大三では3年春に出場したセンバツ高校野球で大会通算最多タイ記録となる13安打を放つなど活躍。明治大でも森下を上回るリーグ戦通算33安打を放っており、打率.264という成績を残した。一昨年の日本シリーズでは先制タイムリーも放っており、プロ入り後もその打棒は衰えてはいない。昨年オフにフリーエージェント(FA)を宣言した時も、多く打席に立てるからセ・リーグへ移籍するべきという意見もあったほどだ。今年も交流戦などで、打者としての活躍にも期待がかかる。