これまでも“ヤ戦病院”と揶揄される状況に陥いることは度々あったが、今シーズンほどそのワードが当てはまるシーズンもない。このヤクルトの怪我の多さはたまたまなのだろうか……。

「ヤクルトに故障者が多く出るのは今に始まったことではない。長年言われてきたが神宮球場や練習施設に問題があり、それが影響を与えているのかもしれない。どの選手もコンディションを整えるのに苦労しているようだ」(在京球団編成担当)

 一つの理由として考えられるのが施設面。本拠地の神宮球場、サブ球場、クラブハウスの位置関係に問題があるという声がある。ヤクルトの選手は練習後、必ずクラブハウスへ戻るまでに外に出て移動する時間があり、そこで温まった体がどうしても冷えてしまう環境にある。それが怪我に繋がってしまっているのではという話だ。

「(温まった体が冷えると)筋肉が硬直する。すると、それをカバーしようとすると関節にまで大きな負担がかかる。他球団の設備では体を冷やすことなく着替えをしたりできる環境がある。科学的な因果関係は明確にできないが何かしらの関連性はあるのではないか」(都内整形外科医)

 かつてJリーグでは参加希望クラブに対し、「熱湯シャワー完備のクラブハウス」も条件に入っていたと言われる。炎症などの鎮静以外でアスリートが運動後に体を急激に冷やすことはタブーでさえある。昨年の甲子園では熱中症対策として5回終了後に体温を下げることを目的としたクーリングタイムが設けられたが、クリーニングタイムが終わり試合が始まった直後に選手が怪我で交代するという現象が複数回起きて話題となった。

 また、球団施設面以外にも問題点があると指摘したのが2021年開幕前のトレードでヤクルトに加入した田口だ。

「田口が契約更改時に食事面の改善を訴えたこともあった。ヤクルトではチームに栄養士が帯同していなかったという。今は変わってきているが(選手のコンディションに関するケアの面で)他球団や他競技に遅れているのは間違いないかもしれない」(ヤクルト担当記者)

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必要とされる“原因究明”