山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「5月の急激な気温の変化に気を付けたいこと」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 5月13日、気象庁(※1)は、沖縄・奄美、九州~北海道(一部除く)にかけて19日頃から、平均気温がかなり高くなるとして、「高温に関する早期天候情報」を発表しました。

「早期天候情報」(※2)は、その時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温や低温、降雪量(冬季の日本海側)となる可能性が、いつもより高まっているときに、6日前までに注意を呼びかける情報のこと。

今回の場合、「この時期としては10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性が、いつもより高まっている」というわけなのです。

「やっと春になったと思ったら、もう夏のような暑さやってくるなんて……」と、気温の変化に気持ちがついていけないという方も多いと思いますが、実は、私たちの身体も、こうした急な気温の変化や暑さに、急に慣れることはできません。

 前回お伝えしたように、私が今住んでいるサンディエゴは、4月末に入って、ようやく冬が終わりを告げました。5月中旬になり、最低気温は12度前後、最高気温は20度から23度と、20度を上回るようになり、過ごしやすい気温になりました。朝や午前中は、曇りがちな日がまだまだ多いのですが、日中には真っ青な晴天が広がる日がやってきたというわけです。

 太陽の光を浴びることができるようになったおかげで、落ち込みやすくなり、やる気が起きない日が続く、なんてことは無くなったのですが、気温差が大きいことに変わりはありません。日向にいくと、汗ばむような暑さを感じる一方で、日陰にいくとひんやりと涼しいため、1日の中でも服の調整がとても難しく感じます。

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急激な気温の変化に体調が