暑熱順化が十分にできておらず、この体温の調節がうまくできない時、私たちの体内に熱がたまって体温が上昇してしまうため、結果として熱中症が引き起こされるというわけなのです。

 日本気象協会によると、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、ウォーキングやジョギング、サイクリングや筋トレなどの運動や入浴によって、無理のない範囲で汗をかくようにし、体を暑さに慣れさせることが、暑熱順化において有効な対策になるといいます。また、5月の暑い日や、梅雨の晴れ間、梅雨明けなど、暑熱順化できていない可能性の高いタイミングは、特に熱中症に注意が必要です。

 暑熱順化には、残念ながら時間が必要です。個人差はあるものの、暑熱順化するまでには、数日から2週間程度かかるようです。私の場合、季節を問わず、汗をかく程度の運動をほぼ毎日30分から1時間こなしていたものの、急激な気温の変化や、暑さについていくことができませんでした。忙しさを理由に、最近、パンやおにぎりといった簡単な食事で済ませ、朝食をスキップしてしまっていたことも要因だったのかもしれません。

 暑くなってくると、どうしても軽めの食事にしがちな私ですが、栄養を摂ることを意識して暑熱順化し、夏を乗り切りたいと思います。

【参照URL】

(※1)https://www.data.jma.go.jp/cpd/souten/?reg_no=0&elem=temp

(※2)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/twoweek.html

(※3)

https://www.netsuzero.jp/learning/le15#:~:text=%E6%9A%91%E7%86%B1%E9%A0%86%E5%8C%96%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%81%95%E3%81%AB%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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