ビシエドも新天地の方が輝けるのでは――。ビシエド自身、出場機会に恵まれない中で野球人として「まだまだできる」という思いは当然持っているはずだ。中日を取材するスポーツ紙記者は「まだ燃え尽きていないでしょう。求めてくれる球団があるならプレーしたい気持ちがあると思います。選手は1軍で活躍してナンボの世界ですしね。将来中日に指導者で戻るとしても、他球団でプレーするプラスアルファは大きい」と胸中を推し量る。

「中日一筋で頑張ってほしい」

　一方、名古屋のテレビ関係者はビシエドのトレードに否定的な見方を示す。

「中田は近年故障が目立ちますし、石川昂もまだ計算できる存在ではない。長いシーズンを考えるとビシエドは必要な存在です。プレー以外にも影響力が大きな選手ですしね。真面目でナインの人望が厚く、家族で暮らしている名古屋の生活をすっかり気に入っている。現役引退後も指導者としてユニフォームを着続ける可能性がありますし、中日一筋で頑張ってほしい。トレードで放出するとは考えにくいですね」

　ビシエドは助っ人外国人が通常は参加しないシーズンオフの球団納会やファンイベントに参加し、日本への愛着を度々口にしていた。本人も中日で活躍したい思いは強いだろう。

　中日ファンから「愛される助っ人」の動向が、注目される。

（今川秀悟）

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