開幕から1カ月半が経ち、各球団の陣容、戦略プランが見えてきた。下位に低迷する球団は戦い方を見直し、弱点を補うために戦力補強を行う可能性がある。そこで、有効な手立てがトレードだ。
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スポーツ紙デスクは「水面下で各球団のフロントが調査をしています。交流戦を終えて、リーグ戦再開までの間にトレードが成立する可能性が高いと思います。他球団から人気の選手は中日のビシエドですね。ファームでのパフォーマンスを見る限り、まだまだ1軍で輝ける。パ・リーグの複数球団がトレードを打診する可能性があります」と語る。
来日9年目のダヤン・ビシエド(35)は開幕からファーム暮らしが続いている。18年に打率.348、26本塁打、99打点、178安打で首位打者、最多安打のタイトルを獲得するなど中距離砲として活躍してきたが、昨年は91試合出場にとどまり、打率.244、6本塁打、23打点と不本意な成績に。今年は一塁の守備位置が重なる中田翔が巨人を退団して新加入したことで、さらに苦しい立場になっている。和製大砲と期待される石川昂弥は三塁のほか、一塁を守り、右手の損傷で戦列を離れていた中島宏之も1軍に戻ってくる。春先の快進撃を支えた高橋周平も右ふくらはぎ肉離れから間もなく実戦復帰の予定で、ビシエドにチャンスがなかなか回ってこないのが現実だ。ただ、ウエスタンリーグでは28試合出場で打率.307、3本塁打、8打点をマークする。
セ・リーグ球団のスコアラーは「ビシエドに関しては衰えたという認識がないんですよね」と指摘する。
「スイングスピードが遅くなった、直球に差しこまれるなどと言われていますが、もともと直球より変化球を打つのが巧い打者です。長打を求めるから打撃のバランスが崩れているだけで、外野を射抜くライナー性の打球をまだまだ打てます。シーズン途中に新たな助っ人を獲得するにしても、日本の野球で通用するか計算できず未知数な部分が多い。実績十分のビシエドが人気なのは当然と言えます。国内FA権の取得条件を満たしていて日本人扱いで起用できるので、外国人枠を気にしなくて良いことも大きなメリットです。あとは推定年俸3億5000万円と高額なので条件の部分でどうなるか。まだまだ1軍で通用すると思うし、ファームにいるのはもったいない」