ランニングやリズム運動が集中力を高める

 みなさんは「セロトニン」をご存じでしょうか。これは脳内の神経伝達物質の一種で、喜びや快楽などをつかさどる神経伝達物質のドーパミンや、恐怖や驚きなどの感情をコントロールするノルアドレナリンを制御し、精神を安定させるホルモンです。

 心を穏やかにする働きがあることから、通称「幸せホルモン」とも呼ばれています。セロトニンは、交感神経と副交感神経のバランスを保つことに貢献してくれるので、自律神経と集中力の安定には欠かせません。

 セロトニンは、パソコンやスマホ画面の見すぎ、運動不足、夜更かしなどによって低下するといわれています。その一方、規則正しい生活を送り、日中は陽の光を浴び、適度な運動を行うと、増加することがわかっています。この適度な運動のうち、大きな効果があるとされるのがリズム運動です。

 手軽に取り組めるものをいくつか紹介するので、自らセロトニンを増やしていくことに努めましょう。

  • ウォーキング・軽いジョギング

 体に大きな負荷をかける必要はありません。いずれも、「ちょっと息が弾む」くらいの強度がベスト。一定のリズム、同じくらいの歩幅で、歩いたり走ったりしてください。

  • ダンス・体操

 こちらも動きがハードなものは不要。専門的なダンスを習わなくても大丈夫です。手と足を中心に、全身をリズミカルに動かすことができていれば、オリジナルのダンスで構いません。ラジオ体操や太極拳でもOKです。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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