巨人・菅野智之が“完全復活”をアピールしている。今シーズンは近年の不振が嘘だったような快投をここまで続けているが、その先に見据えるのは侍ジャパン復帰と長年の夢だったメジャー挑戦とも言われている。(以下、文中の成績はすべて5月1日終了時点)
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今季は開幕から20イニング連続無失点を記録するなど、4月は4試合に先発登板して3勝を挙げ、防御率1.03と文句のつけようがない結果を残している。2年連続のBクラスからの逆襲を狙うチームの中で存在感は抜群だ。
「キャンプイン時に体が明らかにシェイプされ覚悟を感じさせた。置かれた立場に腐ることなく先発ローテーションを勝ち取り、結果を残しているのには頭が下がる。全盛期も凄かったが、それ以上の投手になっている気すらする」(巨人関係者)
かつてはチームの絶対的エースだったが、2021年シーズン以降は戸郷翔征、伸び盛りの山﨑伊織ら若手が頭角を現したこともあって、エースとしての座を失った感もあった。だが、今季はシーズン初登板となる4月4日の中日戦で7回無失点の好投を見せると、その後も安定したピッチングを続け、エース復活を印象付けている。
「プライドが高く妥協を許さない求道者のような投手。ここ数シーズンは不調が続いた自分自身に腹を立てていたはず。技術、肉体、精神を鍛え直して這い上がってきた姿はチームに大きな力を与えてくれている」(巨人OB )
菅野は巨人史上に残る名投手と言える存在。球団史上最多8度の開幕投手を務め、最多勝3度、最優秀防御率4度、最多奪三振2度、沢村賞2度、MVP2度などを獲得した球界屈指の右腕だった。しかし2021年以降は故障にも悩まされ成績を落とし、ここ3年シーズンは合わせて20勝22敗に終わっていた。
「体にキレを感じてテンポ良い躍動感のある投球フォームが戻った。真っ直ぐの伸びがあるので変化球も活きる。持ち前の制球力の良さも磨きがかかったようだ。気持ち的にも乗っているようなので、この状態は続きそう」(在京球団スカウト)