今シーズンもここまで二軍暮らしが続き、存在感を示すことができないでいる。ここ数年は二軍では4割近い出塁率を残すなど、既に二軍レベルの投手で結果を残せることは十分に証明しながらも、一軍では確実性に欠けるというシーズンが続いている。内野手登録でありながら外野も守っているが、守備と走塁では他の選手と比べても大きな武器となる部分がないだけに、やはり打撃でアピールするしかない。今シーズンで9年目となるだけに、まさに崖っぷちのシーズンとなりそうだ。

 中村と平沢はプロである程度年数が経っているが、近年入団したドラフト1位でも既に危ない状況に見える選手も存在している。それがともに2021年のドラフトで指名された風間球打(ソフトバンク)と吉野創士(楽天)の2人だ。風間は高校3年時に157キロをマークするなど高校球界屈指の本格派として評判となった右腕。この年は他にも好投手が多かったが、ソフトバンクが単独で1位指名している。

  将来のエース候補として期待は高く、背番号も1を与えられた。しかし1年目から故障でなかなか力を発揮することができず、過去二年間は二軍も含めて公式戦の登板0に終わっている。昨年オフのアジアウインターリーグでは5試合に登板したが、契約更改では2年連続での年俸ダウンとなった。今年はようやく二軍で登板機会をつかんでいるが、ここまで強いインパクトを残すことができていない。ソフトバンクは育成選手も含めて多くの投手を抱えているだけに、そろそろ結果を出さないと立場はさらに苦しくなりそうだ。

 一方の吉野も甲子園出場こそなかったものの早くから評判を集め、単独1位指名を受けて楽天に入団。1年目から二軍では積極的に起用されたが、2年目の昨年は怪我もあって二軍でもわずか6試合に出場に終わり、今年も打率は1割台中盤と結果を残せないでいる。打率は低くてもホームランが出ていればまだ印象は違うが、なかなか体が大きくならず、期待された長打力を発揮できていないのが現状だ。

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風間、吉野はいきなりの"戦力外"はないが…