新たに今季から指揮官に就任したロン・ワシントン氏は「彼(トラウト)は毎日チームの先頭に立って動いている。クラブハウスでは楽しんでおり、チームメイトとも話しているよ。これまで私たちが続けてきたことに満足しているようだ」とスプリングトレーニング中に語っており、まだ結果は出ていないが新監督を迎えたチームに可能性を感じていることも理由の一つだろう。
また、同僚で現在チームのクローザーを務めるカルロス・エステベスは「(トラウトは)2009年のドラフトでエンゼルスが指名してくれたことを忘れていない」と球団への恩を感じていることも明かしている。若い頃は名門ヤンキースのフランチャイズプレイヤーとして幾度となくチームの世界一に貢献したデレク・ジーター遊撃手に憧れていたというトラウトについて、「責任感のようなものを感じているはず」と今季から三塁コーチに就任したエリック・ヤング・シニア氏が述べているように、エンゼルスで勝つことに大きな意味を見出しているのは間違いなさそうだ。
トラウトは2019年のシーズン前、エンゼルスと当時としては史上最高額となる12年総額4億3200万ドル(約668億5000万円)の契約を結んだ。時が経ち、今季が6シーズン目。ちょうど折り返しに来るまでにチームには紆余曲折があった。だがトラウト自身、「(移籍は)頭をよぎったことすらない」「世間の考え方は自分には何の影響もない」と発言していることからも、残りの契約期間中に何とかエンゼルスを世界一に導きたいという考えが中心にあるように感じる。