だが、痛いのはやはりエンゼルスに大型契約で入団以降、全くいいところのないアンソニー・レンドン三塁手の離脱だ。今季は開幕から絶不調だったものの、15日のレイズ戦で3安打をマークするなど調子は上げてきていた。トラウト同様に既にエンゼルス移籍以降最多となる3つの盗塁を記録して「今季こそ」という雰囲気もあったが、20日のレッズ戦の走塁中に左太ももの裏を負傷。4年連続の故障者リスト(IL)入りとなっている。
一方投手は、加入1年目の昨年は苦戦したタイラー・アンダーソン、若手のリード・デトマーズの両左腕が奮起しているが、先発陣のチーム防御率(4.18)はリーグ15チーム中11位。リリーフ陣も防御率4.70で同11位とともに安定感を欠いている。ブルペン陣では昨オフに3年総額3300万ドル(約51億1000万円)で獲得したロバート・スティーブンソンが肘を故障して今季の全休が決定。先発、リリーフともに若手で伸びしろのある投手も少なく、今季も打線が点を取っても守り切れないという状況が続きそうな予感が漂う。
メジャーリーグ公式サイトの『MLB.com』が発表する最新の戦力値ランキングでもメジャー30チーム中25位と低く、2014年以来となるプレーオフ進出は厳しいと見るのが妥当だろう。
そういった意味でも、将来を見据えてここまで好調を維持している32歳のトラウトを「トレードの価値があるうちに……」という声が早くも出てきているが、そう簡単にはいきそうにない。というのも、トラウト自身は勝てない状況にフラストレーションはたまっているようだが、「出て行く気はない」と幾度となくエンゼルスでプレーを続ける意思を示している。
18日に米スポーツ専門局『ESPN』のウェブサイトは、「なぜトラウトはエンゼルスで勝ちたいのか?」というタイトルの記事を掲載。トラウトがメジャーデビュー以降、エンゼルスにとどまっている理由について考察している。