次期衆院選への不出馬を表明した自民党の二階俊博・元幹事長(85)が、体調不良で療養している。二階氏が不在の中で、地元の和歌山では二階氏の後継選びが急展開。和歌山県町村会は二階氏の三男への出馬を要請する方針を決めたが、二階氏の長男を推す動きもある。次期衆院選の候補選びで、和歌山県内は混沌としてきた。
4月23日、和歌山県町村会は臨時理事会を開き、次期衆院選で二階俊博氏の後継となる新和歌山2区の候補者について、二階氏の三男で公設秘書をしている伸康氏に出馬を要請することを決定した。伸康氏は応じる意向だという。
急な動きには、二階氏の体調不良の影響がありそうだ。
「発熱が続いている」
この6日前の17日、都内のホテルで政治評論家・田原総一朗氏の卒寿と出版を祝うパーティーが開催された。小泉純一郎元首相ら政治家、ジャーナリスト、作家らそうそうたる顔ぶれがそろったが、挨拶予定だった二階俊博氏の姿は会場になかった。
「体調不良のためだと聞いています。二階先生は、4月16日の都内の会合や、21日にあった地元和歌山県連の役員会も欠席しました。永田町では真偽不明の『重病説』まで飛び交っています」(旧二階派の国会議員)
二階氏は都内の病院に入院しているという情報もある。そこで、二階氏の親族に聞くと、
「(二階氏は)発熱が続いていると聞いて心配しています。ただ、重病とかではありません。引退表明をしたことで、一気に力が抜けてしまったのでしょうか。それと、後継者を誰にするかの心労もあったのかと思います」
と、体調不良が続いていることを認めたが、「重病説」は否定した。
自民党の裏金問題で、現職議員として最多の3526万円もの政治資金報告書への不記載があった二階氏だが、次期衆院選への不出馬を表明したことで、党の処分を免れた。とはいえ、派閥を解散し、事実上の「引退表明」をしたうえ、体調不良という状況もあって、周囲が後継選びを急ピッチで進めているようだ。