一方でパ・リーグで昨年新人王に輝いた山下舜平大(オリックス)は、そこまで悪いスタートではないが課題が見えている状況だ。今季初登板となった西武戦では制球が定まらずに5回を投げて8四死球を与えて負け投手となり、続く11日の楽天戦でも5回を投げて1失点(自責点0)と好投したが、勝利投手は逃している。

 ストレートは常時150キロ台中盤をマークするなどボールの力は十分だが、球数が多くなり、長いイニングを投げることができていない。変化球がカーブ、フォークの2種類ということで、どうしても相手に対策されやすくなっている部分もあるのではないだろうか。安易に球種を増やせばよいというものではないが、今後を考えると投球パターンなど、何かを変える必要はありそうだ。

 山下と同じオリックスで苦しいスタートとなったのが頓宮裕真だ。昨年はプロ5年目で初めて規定打席に到達していきなり首位打者を獲得するなど大ブレイク。しかし今年は開幕から結果が出ず、4月7日のロッテ戦から12日の日本ハム戦までの5試合はスタメンを外されている。スタメン復帰した13日の日本ハム戦でようやく今シーズン初ホームランを放ち、17日の楽天戦でも第2号ホームランとスリーベースを放つなどようやく状態が上向いてきた印象を受けるが、チーム全体も得点力不足に苦しんでいるだけに、何とか早く調子を取り戻したいところだ。

 ここまでは同じチームに所属しながら昨年開花した選手だが、球団が変わったことをきっかけにブレイクした選手も存在している。それがともに現役ドラフトで移籍した大竹耕太郎(阪神)と細川成也(中日)の2人だが、現時点では明暗が分かれている印象だ。

 大竹はここまで3試合に先発し、いずれも5回以上を投げているが1勝2敗、防御率5.06と昨年見せたような安定感が影を潜めている状況だ。元々球威で勝負するタイプではないが、昨年と比べてストレートを簡単に合わせられているシーンが目立つ。少し配球を変えるなどの工夫が必要だろう。

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ここまでは苦しんでいる選手は少ない印象