「このフリマは友人に教えてもらいました」と語り、浮世絵のプリントを探す米国人のアビーさん=東京都内、米倉昭仁撮影

本場フランスよりも「すごい」

 家庭などで不用となった品物と一緒に、古美術品が並んでいる店があった。

 それを目当てにやってきたのは、おしゃれな白いジャケットを身につけたフランス人のニュイさん。2週間前に来日し、慶応義塾大学で美術史を学んでいるという。

 手さげ袋には、巻物のようなものが数本入っていた。

「お見せしましょう」と自慢げに広げてくれたのは、大きな太陽を背景に舞うツルが描かれた掛け軸。安いものだと千円ほどで買えるという。

自慢げに購入した掛け軸を見せるフランス人留学生のニュイさん=東京都内、米倉昭仁撮影

 フリマ、いわゆる「蚤(のみ)の市」はフランスが本場だが、これほどの規模のものはほとんどないらしい。

「フランスのフリマは、数は多いのですが、どこも値段が高すぎます。ここは品数が豊富なうえ、すべてがとても安い。だから、これも欲しい、あれも欲しいって感じで」

 と、ニュイさんは興奮気味に語った。
 

「日本の古いユニークなものが見つかる」と語る日本在住のインド人、ピヨシさん=東京都内、米倉昭仁撮影

 観光客ではなく、日本で暮らす外国人も訪れる。来日して10年になるインド人のピヨシさんは、古銭のコレクションが趣味だという。

 日本に来て間もないころ、職場の同僚からこのフリマを教えられて通うようになった。

「古銭だけでなく、仏像のような本格的な古美術品を購入することもあります」

日本在住のインド人、ピヨシさんは、車の修理用品を手に入れた=東京都内、米倉昭仁撮影

 ところがこの日、ピヨシさんの手に握られていたのは「スチールペイント」と書かれたチューブの箱だった。

「ははは、車の傷を修理するのに便利だと思って、たまたま目にして買ったんです。電気のコード類も非常に安く買えますよ」
 

日本在住の中国人、王さんはシーサーのような置物を購入=東京都内、米倉昭仁撮影
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