巨人、阿部監督は筒香をどう使うのか

 DeNAに劣らない熱量で獲得に乗り出したのが巨人だった。90年代に落合博満、清原和博、ジャック・ハウエル、広沢克己と他球団の4番打者をかき集めた時代があった。当時と重ね合わせて、「筒香の獲得は若手の育成を阻害する」と獲得に反対する声が聞かれるが、スポーツ紙デスクは異論を唱える。

「大型補強で大砲を乱獲していた時とは状況が全く違います。今の巨人は外野の3枠でレギュラーが決まっていない。丸佳浩、梶谷隆幸、長野久義と実績十分のベテランがいますが、故障を抱えるようになり常時スタメンで出場していない。筒香の獲得は理にかなった補強と言えます」

 筒香の巨人入り有力報道を受け、DeNAで筒香と同僚だったエドウィン・エスコバーは自身のX(旧ツイッター)を更新し、「Why not Baystars?」(なぜベイスターズではないの?)とつぶやいた。SNS上でDeNAファンからは、ライバル球団の巨人への移籍が有力視されることに複雑な感情を抱きながらも、「筒香がDeNAの功労者であることは間違いない。出場機会を求めて他球団に行く決断をしても仕方ない」、「本人は相当悩んでいると思う。どんな結論を出しても応援するし、他球団に行っても最後はDeNAに戻って引退後は監督をしてほしい」などエールを送る書き込みが目立った。

 ただ、日本球界に復帰してすぐに活躍できるかというと、どうだろうか。

筒香がいない間に進んだ「投高打低」

 メジャーから日本球界に復帰した日本人選手では、青木宣親(ブルワーズなど→ヤクルト)、井口資仁(ホワイトソックスなど→ロッテ)のように復帰1年目から活躍した選手もいるが、NPBでアジャストするのに苦労したケースも多い。日米通算2450安打をマークした福留孝介(カブスなど→阪神中日)はメジャーで5年間プレーし、13年に阪神に入団したが度重なる故障で63試合出場、打率.198、6本塁打と苦しんだ。15年に日本の野球に適応し、打率.281、20本塁打で主力として稼働するまで3年の月日を要している。

 スポーツ紙記者は、「早急に結果を求めるのは酷です」と強調する。

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