「DeNAで活躍していた時のイメージが強いですが、あれから4年以上経っています。NPBの投手のレベルが上がり、150㌔中盤の直球を投げ込む投手が一気に増えた。筒香はDeNA時代から速い球を捉える確率が高いとは言えず、外国人投手とタイミングの取り方が違うことを考えると、打撃の土台から見直す必要がある。今年に限って言えば、打率.250、15本塁打が現実的な数字ではないでしょうか。シーズン途中入団で、新しい環境になじむ時間も必要です。巨人は来年以降の活躍を見据えて獲得に乗り出しているでしょうしね。ただ、選手層が薄い球団なら打てなくても我慢して起用してもらえるが、巨人の場合は代わりの選手がたくさん控えている。打撃不調で出場機会が限られ、不良債権になる恐れがないとは言えない」

 筒香がDeNAでプレーした最終年の19年、セ・リーグ打撃成績で3割打者は5人、本塁打30本を超えた選手は7人いたが、昨年は3割打者3人、本塁打30本超えは岡本和真(巨人)と村上宗隆ヤクルト)の2人だけだった。「投高打低」の傾向が近年進んでいることも、筒香を苦しめるかもしれない。

 他球団のあるスコアラーはすでに筒香対策を胸に秘めていた。

「ボールが飛ばなくなっていると言われ、長距離砲は受難の時期に入っている。筒香が巨人に入団した場合は本拠地が東京ドームで本塁打の出やすい球場とはいえ、初対戦の投手が増えていますし対応するのに時間が必要になってくるでしょう。胸元の速い球と落ちる球のコンビネーションがカギを握ると思います」

 筒香がいばらの道を覚悟し、巨人入団を決断した時にどのような化学反応が起こるか。阿部慎之助監督の起用法も注目される。

(今川秀悟)

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