西尾典文
山川のFAによる人的補償では甲斐野央（西武）が大きな話題となったが、新天地では上々のスタートを見せている。開幕戦の楽天戦では1点を先制した8回に登板して1イニングを0点に抑えて移籍後初ホールドを記録すると、その後も無失点投球を続け、ここまで4試合の登板で3ホールドとセットアッパーとしての役割を見事に果たしているのだ。三者凡退はまだ一度もなく、いずれも走者を背負っての投球となっているものの、150キロを楽に超えるストレートの勢いは申し分なく、4回で4奪三振と三振を奪えているのも好材料である。今年の西武は先発投手陣が安定しており、そういう意味でも甲斐野の働きは非常に重要であることは間違いないだろう。
トレードで移籍した選手でまず順調なスタートを切ったのが高橋礼（巨人）だ。過去3年間はソフトバンクで結果を残すことができなかったが、今年はオープン戦から好調をキープして先発ローテーション入りを果たすと、移籍後初登板となった3月31日の阪神戦では先発として6回を投げて被安打1で無失点と見事なピッチングを見せたのだ。味方の援護がなく、残念ながら今シーズン初勝利とはならなかったが、テンポ良く打ちとる投球がファンに与えたインパクトは非常に大きかった。貴重なアンダースローで、ローテーションにバリエーションをつける存在として今後も期待できそうだ。
自由契約となり、他球団へ移籍した選手も多いが、その中でここまで目立った活躍を見せているのが中田翔（中日）だ。巨人との契約が残っていたものの、自らの意思で自由契約を選択して中日へ入団。オープン戦では打率1割台前半と不振で、状態を心配する声もあったが、開幕戦でいきなりホームランを放つと、3月31日には早くもシーズン第2号が飛び出すなど持ち味の長打力を発揮している。放ったホームランはいずれも神宮球場だったが、打球の勢いと飛距離を見ても、まだまだ衰えは感じさせず、広い本拠地でもホームランを量産してくれる可能性も高いだろう。
沖昌之
ゲッターズ飯田
ラリー遠田
