佐々木は2019年ドラフト1位で4球団競合の末にロッテ入団。将来を見据え登板試合数や投球数を徹底管理するプランによって育成され、2022年4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)では28年ぶり史上16人目となる完全試合を史上最年少(20歳5カ月)で達成した。

 昨季もWBCの世界一メンバーとなり、シーズン中も投げれば圧倒的な投球を披露していたが、怪我での離脱もあり前年の20試合を下回る15試合の登板。7勝4敗、防御率1.78という数字をマークしたが、“まだ完成されていない”という評価がほとんどだ。そこに来てオフに突如メジャー行きを求めたという報道が出ため、困惑したファンも多いだろう。

「佐々木の素材が飛び抜けているのはわかっているが、プロ入り4年目まではフル稼働していない。その割には露出やグッズ販売に関しては積極的に起用される。何のためにロッテに入ったのかわからない。野球人・佐々木の本音が聞きたいファンは多いはず」(在京テレビ局スポーツ担当)

 入団1年目は一軍登板機会がなく、その後の3年間では通算46試合の登板で19勝10敗で故障も多く獲得タイトルもない。メジャーはまだ早いという声もある中で、佐々木がどんな気持ちでシーズンに臨むのかというのが知りたい部分だ。

「佐々木は純粋に投手としてナンバーワンを目指したい。様々なジレンマもあって早期のメジャー挑戦を何らかの形でリークしたのかもしれない。ストレスを感じることなく今季を過ごして欲しいですが……」(佐々木をアマチュア時代から知るスポーツライター)

 開幕を控えてのオープン戦は3月17日の楽天戦(ZOZOマリン)では強風の影響があったとはいえ初回に4点を奪われた。しかしオープン戦最終登板となった24日の中日戦(バンテリン)では今季自己最速の162キロをマークするなど、5回を被安打2、5奪三振、無失点と調子を上げてきた。

「『調整は佐々木本人に任せてある』と吉井理人監督も公言している。オープン戦途中までは不安も感じさせたが、最終登板では『さすが』の投球を披露した。この調子を1年間維持、周囲を納得させる投球をして、オフにはメジャー挑戦をぶちあげて欲しい」(ロッテ担当記者)

 公表されていないが今季終了後にはメジャーリーグ挑戦が規定路線のようにも感じる。「結果を残して球団に恩返しをしてから渡米すべき」と語る周囲を納得させる投球ができるのか。それとも「そこそこ」の活躍で海を渡ってしまうのか。令和の怪物にとってターニングポイントとなる1年がまもなく始まる。