ロッテ・佐々木朗希
この記事の写真をすべて見る

 ロッテ・佐々木朗希の立場が1年で激変した。昨年までは「日本球界でどう成長していくのか」多くの野球ファンが見守るような存在だったが、今では「いち早くメジャーリーグに行きたい選手」として複雑な心境で見ているファンも少なくないはずだ。

【写真】イチローだけじゃない!MLBの年金額「満額支給」の日本人選手がこちら(ほか3人)

 佐々木は昨シーズン終了後にポスティングでのメジャー移籍を希望したと報道され、1月末の契約更改の場では「(メジャーリーグは)野球を始めた頃、小さい頃からの夢」という本心を明かした。

 だが、ロッテの松本尚樹球団本部長は、「佐々木側からのポスティング利用の要望はなかった」とし、真実がどこにあるのか分からない状態のままシーズンが始まろうとしている。

「佐々木がメジャー志向なのは周知の事実。WBCへ出場して大谷翔平ドジャース)、ダルビッシュ有(パドレス)らと一緒にプレーして、『もっと上を目指したい』と思ったのも当然。しかし、今季の契約更改がここまでもつれるとは誰も思わなかった」(佐々木をアマチュア時代から知るスポーツライター)

 契約合意が発表されたのは1月26日、キャンプイン5日前だった。春季キャンプへの自費参加の可能性も取り上げられるなど、“扱いにくい選手”というイメージもついてしまった。

「契約更改が長引いた理由を説明する必要もあった。しかしキャンプイン後もロッテ球団は佐々木のイメージアップ素材を一方的に提供するだけで、取材機会を厳しく制限した。過保護に守った印象だけが残り、プラスにはならないと感じた」(ロッテ担当記者)

 キャンプが行われた沖縄県の石垣島での取材機会は数回だけで、ぶら下がり取材どころか雑談までNG。同県糸満市へ移動するとさらに厳しくなり、外から丸見えのブルペンへ近づくのさえも禁止された。

「取材は厳しく規制された。佐々木に関しては球団がコントロールしたいこと以外、表に出さない方針のようだった。夕刊紙やフリー記者ならまだわかるが、記者クラブに対しても同様の措置を行なっていたのは理解できない」(在京テレビ局スポーツ担当)

 結果、チームメイトとサッカーボールを蹴ったり、部屋に押しかけているような動画のみが出回った。オフの契約更改で心配をしたファンが本当に知りたいのは、シーズンに向けての調整具合や現在の気持ちだったはずだ。

次のページ
佐々木は今オフのメジャー移籍は濃厚?