「失神しちゃうんじゃないか」

「ネプチューン」をモチーフにした衣装(本人提供)

「チームは必ず終わった後に中継された映像を見ますから、撮られたパフォーマンスが悪ければ、チーム内での評価は落ちます。いまはスマホもありますし、誰がどこで撮っているかわからないので、カーニバル中は神経をとがらせています」

 そんな状況だからか、どれほどコンディションを整えても、本番では息が上がり、大量の汗をかく。

「失神しちゃうんじゃないかって思うときもありますね」

 リオのカーニバルは「地上最大のショー」とも言われるお祭りで、毎年2~3月ごろに開催される。今年は2月9日から17日まで行われた。期間中、街中でもカーニバルが開催されているが、最大のヤマ場は、特別会場で行われるトップ12チームが争うコンテストだ。7万人ほどが収容できる会場「サンボドロモ」で4日間、開催される。1チーム3千人ほどで構成されることが多く、打楽器隊やさまざまな種類のダンサー役があり、観客を魅了する。

 中島さんが参加しているのは、このコンテストだ。ブラジルには、カーニバル前後の約3カ月間、断続的に滞在している。それ以外の期間は日本で過ごし、お祭りやショーで踊ったり、サンバなどのダンサーの衣装製作などをしたりして、生活している。

「12年ほどは、日本とブラジルに半年ずつ滞在する生活をしていました。サンバチームは、地域の共同体と結びついているので、現地の人たちの信頼を得るためにもなるべくブラジルにいたかったんです。いまはチームのみんなも信頼してくれて、長期滞在していなくても、大切なポジションを任せてくれるようになりました」

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「俺の居場所はここじゃない。あっちだ」