「SWASH」メンバーの要友紀子さんは、「出稼ぎの動きは、もう止められないと思う」とも口にする。

「日本があまりに貧しく、稼げない国になってしまった。日本で1年で稼ぐ額が、下手すると1カ月で稼げるとなれば、行く人が出てくるのは当然だと思います。海外に出稼ぎに行く動きは、今後ますます広がっていくと見ています」(要さん)

 性風俗業の女性が海外に出稼ぎに行く動きは、日本特有の業界的な問題をはらんでいると見る向きもある。「日本の性風俗業界が今のままである限り、海外に出稼ぎに行こうとする動きは加速するでしょう」と話すのは、性風俗業界の動きについて詳しい中村淳彦さんだ。中村さんいわく、AV業界では10年ほど前から、中国の富裕層を相手に、プロダクションが女優を売春させる動きが出てきているという。

「日本人女性の“市場評価”は世界的に見ても高い一方で、日本の性風俗業界では、男性が女性を安く買い叩いている現状がある。これまで日本では、男性が作った売買春のシステムの中で働く女性が多かったのが、SNSなどの普及によって、従来のシステムに則らずとも仕事ができる時代になった。となれば、個人でしがらみがなく働きたいと考えたり、より稼げる相手に目が向くのは、ある種必然とも言える流れではないでしょうか」(中村さん)

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雇用関係がないのに従業員扱いをする