テーブルもカウンターも散らかっているリビングとダイニング/ビフォー

 家族が寝静まってから片づけを進めると、朝になって子どもたちが「ここ、きれいになったね!」と気づいてくれるようになりました。さらに、「おうちがきれいになったら、お友だちを呼びたいね」という子どもの言葉もともかさんを後押しします。

「反抗期が始まった上の子が、穏やかになった気がします。家が変わったからか、私が変わったからか、楽しそうにすることも増えました」

 今は、夫も子どもたちも少し散らかるとみんなで片づけてきれいな状態をキープできるようになりました。ともかさんだけが頑張って片づける必要はありません。

「仕事でも家のことでも、うまくいかないときは『家もぐちゃぐちゃな私だし……』というコンプレックスで落ち込みました。新しいことを始めたくても、『まず片づけないと』というところから進めませんでしたね」

入り込む日差しが以前よりも明るく感じられます/アフター

 家がきれいに片づけられるようになったともかさんは、現在新しい仕事を始めようと準備しています。片づけや自分のこだわりから解放されて、夢に近づくことができたのです。

「休みの日に、子どもと一緒に簡単な蒸しパンを作ったんです! 今までは子どもが『手伝いたい』とキッチンに来ても、『危ないからダメ!』と言っていたのに。大したことじゃないけど、ちょっとだけなりたい自分になれているかな」

 そうほほ笑むともかさんは、かつての理想の姿を叶えられましたね。

 ともかさんを片づけから遠ざけていたいくつかのこだわりは、もうありません。あとは自由に、軽やかに、夢に向かってどんどん歩いていくことでしょう。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。

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