「一番気になるのは阪神の佐藤輝明。実際にメジャーの複数球団のスカウトが興味を示しています。彼の長打力はずば抜けている。ホームランアーティストとしての才能は岡本、村上に匹敵する逸材です。昨年の後半からコンタクト能力が上がってきたし、あのスケールの大きさは魅力です。シーズンを通じて好不調の波を少なくすれば成績が一気に上がるでしょう。ただ、三塁の守備は現時点で厳しいかな。送球に不安を抱えているように見える。米国では外野になると思います。日本ハムの万波中正も将来メジャーで活躍できる素材です。逆方向に長打を飛ばせるし、外野の守備は強肩で守備範囲が広い。昨季25本塁打を放ちましたが、40本塁打を狙える。あとはホームランバッターではないが、DeNAの牧秀悟は今すぐメジャーにいってもある程度の成績を残せるでしょう。彼は手元で動く球への対応力が高い。打率.280、15本塁打を残せるのでは。ただ問題は守備位置ですね。二塁が本職ですが守備範囲が狭い。一塁では打撃が物足りなく感じるので、守備を磨けばさらに評価が高まる」
和製大砲
佐藤は左打者で史上初の新人から3年連続20本塁打以上をマーク。昨季は自己最多の92打点をマークし、38年ぶり日本一の原動力になった。ただ、「能力の高さを考えるとまだまだできる」と厳しい声が多い。在阪スポーツ紙記者は「本拠地が広い甲子園で浜風により右翼に飛ぶ打球が押し戻されるため、左打者が本塁打を量産するのはなかなか難しい環境ですが、佐藤なら40本塁打を打ってくれる雰囲気があります。彼の全盛期はこれからでしょう」と言葉に力を込める。
メジャーで通用する日本の長距離砲は大谷だけじゃない――。NPBの和製大砲たちが証明する時代はやってくるだろうか。
(今川秀悟)