昨季44本塁打を放ち、日本人選手初のタイトルを獲得した大谷は異次元の選手だろう。日本では長距離砲として活躍した選手でも、メジャーでは中距離打者にシフトするケースが大半を占める。巨人で3度の本塁打王を獲得するなどNPB10年間で通算332本塁打をマークした松井秀喜氏(現ヤンキースGM特別アドバイザー)は、メジャー10年間で通算175本塁打。ヤンキース移籍後はフォームを改造し、勝負強い打撃でチームに貢献した。
1、2年目は手探り状態
メジャーでプレーした経験のある日本人選手は、メジャーで長打を打つ難しさを指摘する。
「日本の投手と違って直球の回転が汚いんですよね。いわゆるムービングボールで、手元でシュートしたり、カットしたりするので捉えたと思っても芯を外される。球団数が多く、初対戦の投手が多いので対策が難しい。打者は投手の投げる球を体感しないと不利です。メジャーで年数を重ねればイメージがわいてくると思いますが、1、2年目は手探り状態なので結果を出すのが難しい。これは日本でプレーする助っ人外国人にも同じことが言えます。日本の野球は米国と配球が全く違うし、投手の特徴も分からないのですぐに活躍するのが難しい。近年は日本人投手のレベルが一気に上がっていますしね。あと、メジャーは一、三塁を守る選手にパワーヒッターが多い。日本も巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆が一、三塁を守っているので重なってしまう。メジャー挑戦を見据えるなら外野を守れたほうがいいですね」