昨年38年ぶりの日本一を達成した阪神。日本シリーズで敗れたもののパ・リーグ三連覇を達成したオリックス。両チームともに大きな強みとなったのが強力投手陣だ。チーム防御率、失点数はともにリーグ最少で、他球団と比べて層の厚さが際立っていたことは間違いない。しかしオリックスは絶対的エースだった山本由伸と、昨年二桁勝利をマークした山崎福也がともに退団しており、その穴を埋めるのは簡単ではないだろう。また阪神も村上頌樹、大竹耕太郎がいわゆる“2年目のジンクス”に苦しむ可能性も否定できない。そこで今回は3年後の2027年に投手王国になりそうな球団をトップ3形式で選んでみたいと思う。
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3位:オリックス
【想定される主力10人】
右投手:山岡泰輔・山崎颯一郎・宇田川優希・東晃平・山下舜平大・斎藤響介・小木田敦也
左投手:田嶋大樹・宮城大弥・曽谷龍平
冒頭で触れたように山本、山崎福也の2人が抜けたオリックスだが、それでも若手に楽しみな選手が多く3位と評価した。新エースとして期待されるのはやはり昨年ブレイクした山下だ。シーズン終盤に故障で離脱し、惜しくも二桁勝利は逃したものの9勝3敗、防御率1.61という数字は圧倒的なものがある。3月に行われる侍ジャパンの欧州代表との親善試合にも選出されており、近い将来の日本のエース格として期待は高い。他にも先発では田島、宮城、リリーフでは山崎颯一郎、宇田川と実績のある投手が並び、東と小木田も昨年結果を残している。将来性という意味でも曽谷、斎藤という昨年のルーキー2人が楽しみな存在で、今シーズンのローテーション争いに加わる可能性もありそうだ。
そんな中である意味キーマンとなりそうなのが山岡だ。3年目の2019年に13勝(4敗)をマークして以降は少し物足りない成績が続いており、昨年も起用法が一定しなかった。今年も先発、リリーフどちらで起用されるかは未定だが、能力の高さを考えるとローテーションの中心として山本の穴を埋めてもらいたい。一覧に入らなかった投手では、トミー・ジョン手術を受けて育成契約となっている椋木蓮が順調に復活すればさらに強力投手陣となることは間違いないだろう。
全体的に顔ぶれは強力だが、少し気になるのは左投手が少ない点だ。ドラフト3位ルーキーの東松快征は楽しみな存在ではあるものの、今後の補強ポイントとして力のあるサウスポーを獲得していきたいところだ。