移籍1年目の2015年は防御率こそ3.76ともうひとつながら54試合に登板して3勝、20ホールドをマーク。そして翌2016年は61試合に登板して6勝0、1セーブ、20ホールドで防御率1.70とフル回転の活躍を見せたのだ。2018年以降は左肩を痛めた影響で成績が大きく下降し、2019年限りで自由契約となって退団したが、3年契約で総額1億5000万円(金額は推定)という阪神入団時の金額から見ても、十分な活躍を見せてくれたと言えるのではないだろうか。

 野手はなかなか成功例と言える選手は見当たらないが、ある程度戦力になった例と言えば2014年オフに移籍した小谷野栄一(日本ハムオリックス)となりそうだ。最初の2年間は太ももの故障もあって54安打、44安打と期待を裏切る成績に終わったが、移籍3年目の2017年は130試合に出場して130安打、6本塁打、47打点を記録。打率.277はこの年のパ・リーグで9位の数字である。しかし翌年は打撃不振に陥って大きく打率を下げてこの年限りで引退。移籍した時の3年契約で総額3億円(金額は推定)という金額からすると、少し物足りない感は否めない。

 ここまではある程度結果を残せた選手を紹介したが、大きな期待を受けながら苦しんだ選手も非常に多い。その代表格が福田秀平(ソフトバンクロッテ)である。2019年オフに国内FA権を行使すると、所属していたソフトバンクを含めて6球団による大争奪戦となり、最終的に4年総額4億8000万円プラス出来高(金額は推定)という大型契約でロッテに入団した。しかし移籍1年目から死球による骨折など怪我が相次いで低迷。2年目以降はその影響もあってほとんど一軍の戦力になることはできず、4年間の在籍で89試合に出場、54安打という寂しい数字に終わり、このオフに自由契約となった。アクシデントによる怪我が引き金とは言え、ここまで低迷すると考えていたファンはいなかったのではないだろうか。今シーズンはファームに新加盟したハヤテに在籍することとなったが、まずはコンディションを整えて万全の状態でプレーできるかが重要になるだろう。

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近年“大苦戦”のCランクFA選手