2月1日に春季キャンプがスタートしたプロ野球だが、オフに最も話題となったことと言えばフリーエージェント(FA)の人的補償を巡る騒動ではないだろうか。西武からソフトバンクに移籍した山川穂高の人的補償で和田毅の名前が挙がったことで多くのファンから驚きの声があがり、最終的に甲斐野央が移籍することとなったものの、現行のルールや運用に対して疑問の声も多く聞かれている。今のところ具体的な動きはないものの、今回の件をきっかけに何かしらの変更は必要だろう。
【写真】将来的には移籍の可能性も 中日の“気の毒な投手”といえばこちらの選手
その一方で同じFAでも人気になりやすいのが人的補償の発生しない年俸がCランクの選手だ。このオフも山崎福也がそれに該当し、実際にFA宣言すると所属していたオリックスも含めて6球団による大争奪戦となり、最終的には同じパ・リーグの日本ハムに移籍することとなった。今後ルールが変わったとしても、人的補償有の選手と無の選手に分かれるのであれば、人的補償の無い選手が人気となる可能性は高そうだ。
しかし改めて過去にCランクで移籍した選手を見ても、期待通りの活躍をしている例は決して多くない印象を受ける。その中でも最も活躍した選手といえば、2013年オフに中日からソフトバンクに移籍した中田賢一と言えそうだ。移籍1年目の2014年には25試合に先発し、チームトップタイの11勝をマーク。ソフトバンクでのキャリアハイはこのシーズンだったものの、翌年以降も9勝、7勝、7勝、5勝と先発の一角として勝ち星を重ね、チームの黄金期を支える一人として活躍した。移籍当時の推定年俸は7000万円プラス出来高であり、その金額を考えてもチームとしては大きな補強だったことは間違いないだろう。ちなみに中田は北九州市立大からプロ入りしており、国公立大出身の選手では史上初となる通算100勝もマークしている。
中田に比べると活躍できた期間は短かったものの、同じ中日から阪神に移籍した高橋聡文も数少ない成功例の一人だ。