巨人・小林誠司は正捕手争いから完全に外れてしまったのか。2013年のドラフト1位で名門に加入し、一時は侍ジャパンの正捕手も務めた34歳は、課題の打撃を克服できず崖っぷちに立たされている。
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1月20日、小林の春季キャンプ二軍スタートが発表され驚きの声も聞かれた。捕手の一軍スタートは大城卓三、岸田行倫、山瀬慎之助の3人。「(小林は)どんな立場でいようと腐らず練習はたくさんする男なのでね」と阿部慎之助監督はベテランの奮起を期待するようなコメントを残した。
「(小林は)現状では4番手捕手以下ということでしょう。肩の強さやインサイドワークなど守備面は誰もが評価しているが、打力の低さは目をつぶれないレベル。捕手の守備固めのためにベンチ枠を1つ使えない」(巨人OB)
今シーズンがプロ11年目となる小林だが、春季キャンプで二軍スタートとなるのは初めてのことだ。(2022年は一軍スタート発表後にコロナ感染の影響で三軍に変更)。
「阿部監督は現役時代は打てる捕手だったが守備の重要性も当然理解している。原辰徳前監督が使い続けた大城に対しても、『守備も重視する』ことを明言。『打てないが守れる』小林の扱いには覚悟が必要だったはず」(巨人担当記者)
今季も正捕手を務めると見られている大城は昨季134試合に出場し、打率.281、16本塁打、55打点と捕手としては上々の打撃成績を残した。また盗塁阻止率リーグ2位の.373を記録するなど守備面での成長も著しい。大城を軸に岸田、山瀬と使い分ける方針のようで、小林は4番手という位置づけになってしまっている。
「打撃が別格だった慎之助(阿部監督)のような成績は誰にも求められない。過去にも打撃に課題のある捕手は多数いたが打率2割程度の数字は残せた。小林のように常に打率1割台前半のままベテランになる選手はそう多くはない。年齢的に伸び代も残されていないだろうから厳しい」(巨人OB)
小林は阿部監督が現役時代から“後継者”として期待され、プロ入り後も順調な成長を見せていた。3シーズン目となった2016年には正捕手の座を掴み129試合に出場すると、翌年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表に選出され全7試合に先発。日本の準決勝進出に貢献した。課題と言われていた打撃でも打率.450(20打数9安打)、1本塁打、6打点をマークした。