鉄道の高架下に設置された防災備蓄倉庫。温度管理上、液体ミルクの保管は難しいという=東京都墨田区、米倉昭仁撮影

炎天下の防災倉庫では無理

 ちなみに現在、都内で液体ミルクを備蓄していないのは、足立区、板橋区、渋谷区、世田谷区、台東区、千代田区だ。

 その理由を渋谷区に尋ねると、「やはり、一番大きな理由は賞味期限の短さです。そのため、粉ミルクを優先して備蓄しています」(防災課)。

 一方、ほかのすべての区で共通する理由は、「保管場所が確保できない」だった。

「液体ミルクは『液体』なので、『粉』に比べてものすごく場所をとる。備蓄品の優先順位があるなか、そこが一番のネックになっています。スペースが確保できたら、母子等を受け入れる福祉避難所から優先的に液体ミルクを置くなど、検討中です」(世田谷区災害対策課)

 さらに保管場所の温度も課題となる。

「理想的には常温(15~25度と規定)、現実的には30度を頻繁に超えない環境で保存をお願いします」(明治の江原さん)

 昨年10月から液体ミルクの備蓄を開始した墨田区では「どこに保管すれば大丈夫か、担当者がすごく悩んだ」という。

「東京では昨年、最高気温が35度を超える猛暑日の日数は20日を超えました。備蓄倉庫内は、それ以上の温度になってしまう。公立系保育園の園長会でお話をさせていただいて、液体ミルクを園の冷蔵庫で保管することを了承していただきました」(墨田区防災課)
 

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赤ちゃんにそのまま飲ませて大丈夫?