そういったいわゆる「おうちカレー」、鍋でルーを使って作るカレーが実は一番好きで、自分で作るときはほとんどがそういったカレーだという一条さん。自身がプロデュースしたレトルトカレー「あしたのカレー」(36チャンバーズ・オブ・スパイス)も、そういうおうちの、しかも「2日目のカレー」を目指した、懐かしさもあるほっとする味わいだ。
「いろいろ巡っても、結局普通のカレーに戻りたくなるんですよね。高級路線が進むいっぽうで、原点回帰のような流れも出そうです」
小宮山さんもこう言う。
「正統派のカレーの見直し、ただし普通のカレーライスなんだけど家で作るものとはまた違う昔の名店のようなカレー、そういったものが見直されるのではないかという気がしています」
正統派カレーの見直し
そんな小宮山さんがプロデュースし送り出す、普通っぽいけれど家では作れない味の着地点を提示したともいえるレトルトカレー「究極 渋谷ブラックカレー」が1月に正式発売された。「渋谷」とあるのは、渋谷区観光大使でもある小宮山さんの、渋谷の「名物」のひとつにしたいという思いも込めたものだという。味で目指したところはその名が示す通り、昭和の人気グルメマンガ「包丁人味平」に登場し、一度食べたものをとりこにする“魔力”を持った「ブラックカレー」だ。
「あの『ブラックカレー』って、僕たちカレー好きにとってひとつの金字塔のような存在で(笑)。ああいうものが作れたらなとずっと考えていて、色味も含めて目指したところはあります。あのブラックカレーのように、思い出せばまた食べたくなるような味を目指しています」
今回短期間で大量の種類のカレーを食べ、「もうしばらくいいや」と思ったのに、これを書いている時点で、またカレーが食べたくなってきている。げにおそるべし、カレーの魔力。
<一条もんこさんと小宮山雄飛さんが紹介するレトルトカレー>
※カレーの価格は希望小売価格、もしくはメーカー公式通販サイトでの販売価格