ソウルの光化門にある大型書店で「大谷翔平」で検索した図書の結果。 大谷に関するさまざまな書籍がずらり

 大谷グッズにも視線が集まっている。大手通販サイト「ネイバーショッピング」ではドジャースのユニホーム、帽子を販売。ソウルの百貨店に入っているショップ「MLBコリア」のスタッフは、最近、ドジャースの商品がよく売れているという。

 3月20日から2日間、ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで、ドジャースとパドレスの開幕戦が予定されている。インターネットコミュニティーでは早くもチケットの購入方法についての問い合わせが殺到しているようだ。チケットは1千万ウォン(約110万円)にも高騰するという噂もある。大谷とパドレス所属の韓国人選手、金河成(キム・ハソン)との対決を期待する声が多い。

BTSプロデューサーとの比較に苦笑い

 大谷人気は、日本への対抗心が強い韓国人気質をあおる一部マスコミも火をつけている。

 韓国のスポーツ専門紙「スポーツソウル」は、大谷の契約額は、BTSのプロデューサーであるパン・シヒョク氏の財産の4分の1より低いと書いた。たしかにパン氏の財産は3兆8540億ウォン(約4220億円)と推定され、大谷の契約金の約9200億ウォンよりはるかに多い。その見出しを目にした会社員のPさん(45)は、「業界も違うし、株式など各種資産を合わせた金額と純粋な契約金を比較するのも」と苦笑いをつくる。

 今年からジャイアンツでプレーする李と大谷との過度な比較も空回り気味。

 ジャイアンツとドジャースは同地区のライバル同士である。一部マスコミは、大谷と李の対決、ふたりの外見、李もペットを飼っている……などと共通点を並べる。李も韓国で最高の野球選手として認められてきたスーパースター。入団していきなり新人賞を取り、7年連続でシーズン100安打を記録、MVPを受賞するなど、韓国プロ野球のトップに立っている。李とジャイアンツとの契約も6年総額1億1300万ドルと高額だ。

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大谷との比較に李選手はきっぱり