韓国でも2024年のアメリカ大リーグが話題になっている。昨年まで韓国プロ野球で活躍していた外野手の李政厚(イ・ジョンフ)がサンフランシスコ・ジャイアンツに、投手の高佑錫(コ・ウソク)がサンディエゴ・パドレスに入団したからだ。そして、この2人並みの注目を浴びているのが、日本の大谷翔平だ。
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大谷のロサンゼルス・ドジャース移籍は、韓国の選手が大リーグに入団するのと同じくらい話題になった。10年総額7億ドル(約1015億円=合意時の為替レート)という巨額の契約はもちろん、同じ東洋人として大リーグ最高の選手として認められたこと、そして韓国野球ファンに親しまれているドジャースの所属になったことが理由のようだ。
ドジャースは韓国人にとってなじみが深い。韓国人初の大リーガーの朴賛浩(パク・チャンホ)が全盛期にプレーしたチームだからだ。朴はアジア人の投手として大リーグ通算最多勝利(124勝)の記録を持っている。トロント・ブルージェイズからFAとなっている柳賢振(リュ・ヒョンジン)もかつてドジャースで活躍した。韓国人の間では「大リーグは知らなくてもドジャースは知っている」という人もいるほどだ。
“大谷本”がベストセラーに
大谷については、韓国のスポーツ誌の扱いも大きい。大リーグのコーナーは韓国人選手に引けをとらないほど大谷ニュースで埋め尽くされている。大谷の大リーグへの道のり、これまでの成績や今年の予想、彼の持っている時計や飼っているペット……。日本人の小学生に6万個のグラブを寄贈したことや、能登半島地震の被災地にドジャースと共同で100万ドルを寄付したことについても紹介している。
ソウルの大型書店では、『好きと得意で夢をかなえる 大谷翔平から学ぶ成功メソッド』(著者:児玉光雄)という本の韓国語翻訳本(韓国版タイトル『大谷翔平のショータイム』)がベストセラーになっている。筆者が書店をのぞくと、若者たちが大谷の本を手に取ってSNS用の記念写真を撮っていた。インターネット書店でもベストセラーで、レビューも5点満点で4.9点と好評だ。