今オフのプロ野球、国内のフリーエージェント(FA)をめぐり、大きな騒動があった。西武からFA権を行使した山川穂高のソフトバンク移籍、それに伴う人的補償で名前があがったのが「ソフトバンクの顔」である和田毅という衝撃的な展開だ。他の選手にも動揺が広がり、怒りをあらわにするファンの声も。最終的には甲斐野央(ひろし)の獲得で西武が得をした?
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山川は、昨年5月に知人女性への強制性交の疑いで書類送検され、8月に不起訴処分(嫌疑不十分)に。西武から無期限の公式戦出場停止処分を受けた。1軍出場は17試合出場にとどまりノーアーチ。野球どころではなかった。オフの去就が注目されるなか、「故障者特例措置」により取得したFA権を行使し、獲得に乗り出したソフトバンクへ。
この移籍劇に批判的な見方が目立ったが、さらにFAの人的補償で球界を揺るがす事態に。日刊スポーツが今月11日、西武が山川の人的補償で、42歳左腕・和田を獲得する方針を固めたことを報じた。
衝撃的なニュースにソフトバンクファンから怒りの声が殺到するなか、西武が同日に獲得を発表したのは投手の甲斐野だった。
「和田が外れていても不思議ではない」
両球団はプロテクト枠から外した選手について言及していない。
他球団の編成担当は「推測の域を出ないけど」と前置きした上で、
「和田がプロテクト枠の28人から外れていても不思議ではない。実績は申し分ないが、チームの今後を考えた時に稼働期間が長い若手を優先的にプロテクトすることは理解できます。年俸2億円と高額であることに加え、西武は先発陣が充実しているので獲得に動かないと球団フロントは判断したのでしょう」
との見方を示した。
仮に和田をプロテクト枠から外していた場合、問題は事前に本人に伝えていたかどうかだという。
「もし、伝えていなかったとしたらフロントの落ち度です。過去にも他球団で球界を代表するレジェンドがFAのプロテクト枠から外れ、相手球団が人的補償で指名したら『引退します』と申し出て、大騒動になった。結局、金銭補償で決着しましたが、このやり方がまかり通ると不公平です。和田が人的補償で西武に指名されたと報道された今回の一件は、内部事情が分からないが、ソフトバンク側の動揺が大きいのでは」(前出の編成担当)