金の借り方も指南
入会金の相場は約100万円。「そんな大金は持っていない」と返されることは百も承知で、「お金は消費者金融で借りればいい。1年以内にそれ以上の得をするんだから、ここでお金を借りてでも始めなきゃ駄目だよ。100万円払う価値のあるすごい投資セミナーだから」と畳みかけてくる。
収入の少ない若者が、一度に100万円を借りることは難しいので、金の借り方も指南する。そこで利用するのが、消費者金融のアプリだという。
スマホに3社のアプリをダウンロードして個人情報を入力した後、ほぼ同時にそれぞれに約33万円の貸付を依頼する。審査は並行して進み、消費者金融側も他社からいくら借りているかはわからない。
約1時間後には3社から合計100万円が口座に振り込まれる。
そのころには「先生」の話も終わり、コンビニのATMで現金をおろさせる。
その後、マッチングアプリで知り合った相手との連絡が途絶えるのは言うまでもない。
一方、大金を払って入会した投資セミナーは、貸会議室のような部屋に10~20人の入会者が集められ、「先生」が投資の話をする。ただ、株式や暗号資産について初歩的なことを聞かされるだけで、具体的にどうすれば儲かるのか、という話はまったく出てこない。
そこで騙されていたことに気づくわけだが、どのような内容であれ、実際にセミナーは行われているので詐欺には当たらないため、警察の介入は難しい。