ソフトバンクの戦力構想から外れた上林誠知

 中日の強みは投手陣だ。柳裕也、高橋、小笠原慎之介、梅津、ウンベルト・メヒア、涌井秀章のほか、左肘の遊離軟骨除去手術を受けてリハビリからの1軍復活を目指す大野雄大、若手の仲地礼亜、根尾昂、ドラフト1位右腕の草加勝も先発枠を狙う。トミージョン手術から復帰した梅津、大野は登板間隔を空けながら慎重に起用することが考えられるが、先発候補は多い。救援陣も清水達也、藤嶋健人、勝野昌慶、松山晋也と球に力のある投手がそろい、抑えはライデル・マルティネスという球界屈指の守護神がいる。昨季のチーム防御率3.08はリーグ2位だが、「守り勝つ野球」を標榜するならこの数字は満足できない。優勝を狙うならリーグトップのチーム防御率2.66をマークした阪神に近い水準が求められる。

1試合にあと1得点ずつ

 セ・リーグ他球団の首脳陣は、「中日は最も不気味な球団です。低迷していますが投手力は間違いなくいい。あとは得点力さえ上がれば白星が積み重なるわけですから。打線強化というと気が遠くなりますが、1試合にあと1得点ずつ積み重ねればシーズンで143得点増える。競った試合展開でこの1点を取れるかで勝敗がガラッと変わる」と語る。

 昨年の390得点に143得点を積み上げれば533得点。この数字はリーグ3位に該当する。もちろん簡単な話ではないのは百も承知だが、名古屋の民放テレビ関係者は「1点が欲しい場面でどう取るのかという戦略が見えない」と指摘する。

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中日を応援するファンの熱量は高い