柳裕也など力のある投手が多い

 「岡林勇希、大島洋平が塁に出ても中軸が走者を還せない場面を何度も見てきました。局面を打開するために機動力を使ったり、相手バッテリーを揺さぶったりする戦術も見られない。淡々とアウトを重ねていく印象でした。阪神は少ないチャンスをきっちり生かし、進塁打などアウトの質が高かったのとは対照的です。得点力不足の原因を選手にだけ押し付けるのは違うかなと。首脳陣も考え方を変える必要があるでしょう」

過度な期待は禁物

 昨季はDeNAから現役ドラフトで移籍した細川が打率.253、24本塁打、78打点とブレークしたが、今季は相手バッテリーの攻め方が厳しくなることが予想される。実際に夏場以降はまともにストライクゾーンで勝負してもらえず、ボール球に空を切る打席が目立った。中田も日本ハムで3度打点王を獲得し、侍ジャパンで4番打者を務めた強打者だが、近年は故障での離脱が目立つ。過度な期待は禁物だ。特定の選手に依存した戦略は大きなリスクをはらむ。この点でも参考になるのはオリックスの戦いぶりだ。

 昨年のオリックスは首位を独走したが、杉本は度重なる故障の影響もあり打率.242、16本塁打と不本意な成績に。森友哉も2度の戦線離脱で110試合出場にとどまった。打率.294、18本塁打をマークしたのはさすがだが、森の穴を攻守で埋めたのが若月健矢であり、杉本の代わりに中軸で奮闘したのが首位打者を獲得した頓宮裕真だった。

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