
実際に生徒たちに1日の時間の使い方を書き出してもらうと、すきま時間やムダに過ごしている時間があることがわかりました。その時間を活用すれば、効率的に時間が使えます。
さらに、片づけをすると、必要なモノをすぐに取り出せて生活や勉強がしやすい環境を作れます。時間管理と片づけの関係がピンとこなかったたちも、このように話すと納得してくれた様子でした。
「片づけが苦手な人いますか?」と問いかけると、大半の手が挙がりました。「週末は片づけているという人は?」という質問には、数人という結果。
これはしかたないことだと思います。中学生・高校生は勉強に部活に忙しい時期。友だちとも遊びたいし、趣味も多い。片づけに費やす時間はあまりないでしょう。
大人の方も同様に、まとめて時間を確保できない場合におすすめなのが片づけを習慣化すること。私が「お片づけ習慣化コンサルタント」として活動しているゆえんでもありますが、習慣化してしまえば「片づけをするぞ!」と意気込まなくても毎日きれいな状態をキープできるのです。
講座の中でどうすれば習慣化できるのかを生徒たちに伝えた後、私たちからファイルスタンドを1人1つずつ配って、実際に自分のロッカーを片づけてもらいました。
片づけを始める前に行ったアンケートでは、学校のロッカーを「使いやすい」と答えた生徒は66.7%いました。けっこう高いですよね。

でも、講座の中で「どういう状態が使いやすいと思う?」ときいてみると、「モノが全部入っていればいい」とのこと。そうではなく、“モノが取り出しやすくて戻しやすい”という状態を目指してみようとお話ししました。
さらに、ほかの人と同じではなく、“自分に合わせてカスタマイズする”ということも大切です。
参加してくれた生徒たちの中で、1番身長が高い子は183cmありました。155cmの私の隣に立ってもらうと、立った状態で見えやすくて手が届きやすい“ゴールデンゾーン”が、私よりも高い位置にあります。私はしゃがんで作業をすることがそれほど大変ではないですが、彼にとってはストレスになる。もし、彼が私とまったく同じようにモノの定位置を決めて片づけると、取り出しにくくて戻しにくいので散らかってしまうでしょう。