腎機能低下のリスク
「8年分の学術誌を追跡調査しました。その結果、実はたんぱく質の摂取が少ない人こそ腎機能低下のリスクが高いと結論づけられていることがわかりました。高齢者を対象とした研究でも『たんぱく質の摂取量による腎機能の差はなかった』と報告されています」
たとえば水や醤油でも、とんでもない量をとると死ぬ。常識的な範囲なら、たんぱく質のとりすぎを心配しなくていい。
唯一注意すべき点があるとすれば、腸の健康だ。
「たんぱく質の過剰摂取は、腸内細菌のバランスを乱すリスクがあります。ヨーグルトなどの乳酸菌と、食物繊維を含む食材も組み合わせ、腸の健康も考慮した食生活を心がけましょう」
藤田さんはたんぱく質を「毎食こまめに」摂取することを推奨している。
「朝食には卵料理、チーズ、ヨーグルト。昼食もざるそばやおにぎりだけで済ませるのではなく、肉や魚を含んだメニューを選びましょう。コンビニやスーパーで手軽に買えるたんぱく質優秀食材はゆで卵、サラダチキン。プロセスチーズは不足しがちなカルシウムも一緒にとれます。魚肉ソーセージも意外に高たんぱく質です」
たとえばマルハニチロの「おさかなソーセージ」1本で6.1グラムのたんぱく質入りだ。(ジャーナリスト・古田拓也、編集部・中島晶子)
※AERA 2024年1月15日号より抜粋