前回の6位から今回1つ順位を下げて7位となった早稲田大だが、来季は楽しみなチームになるだろう。今回の出走10人中、卒業するのは3区7位の辻文哉(4年)、6区20位の栁本匡哉(4年)、9区11位の菖蒲敦司(4年)の3人のみ。2区で堂々の4位の走りを見せた山口智規(2年)、1年生ながら5区6位で走り切った工藤慎作(1年)に加え、4区13位に終わった石塚陽士(3年)も力のあるランナーで、今回は発熱の影響で欠場した伊藤大志(3年)もいる。今年が就任2年目だった花田勝彦監督の下、伝統校の“誇り”を取り戻しつつあり、新チームでは今年度の成績(出雲6位、全日本10位、箱根7位)以上の結果を期待していい。

 注目は中央大だ。今回は優勝を狙える絶好期と言える戦力を有していたはずだったが、大会直前に登録メンバー16人中14人に発熱やせきなどの体調不良者が続出した影響で、まさかのシード権落ちとなる13位に終わった。そこからエースの吉居大和(4年)が卒業することでの戦力ダウンは否めない。だが、7区1位と意地の走りを見せた弟・吉居駿恭(2年)には今後の成長が期待され、前回の箱根2位の往路メンバーである溜池一太(2年)、阿部陽樹(3年)もチームに残り、今回10区で9位だった柴田大地(1年)に加え、鈴木耕太郎(1年)、本間颯(1年)、山崎草太(1年)ら高校時代から実績がある有望株も多い。次回の箱根は予選会からの出場となることでの調整が大きなポイントになるが、新戦力の潜在能力を含めて戦力的には「3位以内」は十分に狙えるはず。今回の悔しさをバネに、来年は完全燃焼したい。

 その他の有力校では、今回8位の創価大は吉田響(3年)を筆頭に出走10人中7人が残り、次回もシード権獲得は間違いなさそう。2区で5位だったスティーブン・ムチーニ(1年)に、今回5区9位と不発だった吉田が爆発すれば、見せ場を作れるはずだ。今回10位の大東文化大は、出走10人中7人が残るが、2区12位の久保田徹(4年)、5区4位の菊地駿介(4年)、6区4位の佐竹勇樹(4年)と重要区間を担ったキーマンたちが卒業する影響がどう出るか。

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