青山学院大が2大会ぶり7度目の総合優勝を飾った

 第100回目の記念大会となった箱根駅伝を制したのは、青山学院大だった。史上初の2年連続の3冠達成を目前にした“大本命”駒澤大を「力」で上回り、終わってみれば大会新記録で2年ぶり7度目の総合優勝を飾った。改めて箱根の“    難しさ”と“面白さ”を感じた中で、気は早いが現時点での次回大会の勢力図を予測したい。

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 まずは王座奪還に成功した青山学院大だ。近藤幸太郎、岸本大紀らの“最強世代”が卒業した今年度は、出雲5位、全日本2位と駒澤大に歯が立たなかったが、箱根では下馬票を覆しての圧勝劇。今回のメンバーは、1区9位の荒巻朋熙(2年)から2区1位の黒田朝日(2年)、3区1位・太田蒼生(3年)、4区1位・佐藤一世(4年)、5区2位・若林宏樹(3年)、6区2位・野村昭夢(3年)、7区3位・山内健登(4年)、8区1位・塩出翔太(2年)、9区1位・倉本玄太(4年)、10区2位・宇田川瞬矢(2年)と10人中7人が箱根初出走となったが、その中から7人が残る。特に駒澤大の三本柱に対して堂々の走りを見せた荒巻、黒田、太田の3人、そして“若の神”こと山登りの若林の存在は大きい。今回の成功体験でチームレベルを一段階アップさせることができるはずで、次回の箱根は今回以上の期待を背負ってスタートラインに立つことになる。

「死角なし」のはずが2位に終わった駒澤大は、今回の出走メンバーから2区2位の鈴木芽吹(4年)、5区3位の金子伊吹(4年)、7区4位の安原太陽(4年)、8区4位の赤星雄斗(4年)、さらに9区5位の花尾恭輔(3年)の計5人が卒業する。その一方で1区1位の篠原倖太朗(3年)と3区2位の佐藤圭汰(2年)が健在で、今回未出走のメンバーを含めて選手層の厚さは新チームになっても維持される。箱根制覇の鍵となる「山」に関しても、登りは今回4区6位の山川拓馬(2年)が対応可能で、下りは前回6区で区間賞の走りを見せながら今回は起用されなかった伊藤蒼唯(2年)がいる。安原海晴(1年)、小山翔也(1年)、工藤信太朗(1年)ら有望な下級生が期待通りに成長できれば、戦力的には青山学院大を上回れる。今回の悔しさをバネに、再び「三冠」を目指すチームになれるはずだ。
 

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