しかしアジア・ウインターリーグでは4試合に登板して2勝0敗、防御率1.40と結果を残した。何よりも大きいのがストレートの勢いが戻ってきた点だ。コンスタントに150キロを超え、最速は157キロをマーク。19回1/3を投げて奪った三振が11個と三振の数はそれほど多くないが、与えた四球は4個と制球力も安定していた。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだけに、来年はローテーション争いに加わることを期待したい。

 一方の小園はプロ2年間で一軍登板はなく、今シーズンの二軍成績も2勝5敗、防御率4.21とまだまだ結果を残すことはできていない。しかしアジア・ウインターリーグでは4試合に登板して2勝0敗、防御率1.42と結果を残して見せた。高校時代から高い制球力には定評があったが、19回を投げて与四球3とこの大会でも持ち味を十分に発揮している。ストレートの勢いも出てきたように見え、試合をしっかり作れたことは大きな自信となったはずだ。今永昇太がメジャー移籍で抜け、バウアーの去就も微妙なだけに、チームにとってもキーマンの1人となるだろう。

 NPB所属の野手でトップの打率をマークしたのが2年目の正木智也(ソフトバンク)だ。ルーキーイヤーの昨年は一軍で3本塁打を放ったものの、今年は15試合の出場でヒットわずか1本と悔しい成績に終わった。アジア・ウインターリーグでは17試合の出場で14安打、2本塁打で打率.351をマーク。それ以上に目立ったのが三振わずか2と、13もの四球を選んだ点で、出塁率も.465と見事な数字を残している。チームは山川穂高の加入が秒読みと言われており、レギュラー獲得は簡単な状況ではないが、大学の後輩で同じ右の強打者タイプである広瀬隆太(慶応大・ドラフト3位)も入団しただけに、先輩としての意地を見せたいところだ。

 野手で正木に次ぐ成績を残したのがともにルーキーの北村恵吾(ヤクルト)と村松開人(中日)の2人だ。北村は18試合で18安打、2本塁打で打率.340、村松は18試合で22安打、長打6本、打率.338といずれも見事な成績を残した。

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