日本のプロ野球界は11月以降、完全なオフシーズンとなっているが、世界に目を移すと各国でウインターリーグが行われており、近年はNPB所属の選手も参加しているケースが多い。中でも最も多くの選手が派遣されているのが台湾で行われたアジア・ウインターリーグ・ベースボール(AWB)だ。12月17日に全日程が終了したが、そこで来シーズンのブレイクを予感させた選手をピックアップして紹介したいと思う。
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まず投手で驚きのピッチングを見せたのがオリックスの育成ドラフト2位ルーキーの才木海翔だ。高校(北海道栄)時代から北海道では評判の右腕で、大阪経済大でも3年秋にはリーグ1位の防御率を記録している。4年時に成績を残せず育成選手でのプロ入りとなったが、その素材の良さは高く評価されていた。
二軍での成績は10試合に登板して0勝0敗、防御率6.97と苦しんだが、アジア・ウインターリーグではNPBレッドの抑えを任せられると10試合で10回を無失点、15奪三振で5セーブと圧巻の投球を見せたのだ。大学時代から躍動感のあるフォームが特長だったが、踏み出した左足の着地が安定したことで制球力も向上したように見える。
150キロを超えるストレートと鋭く落ちるフォークで三振を奪えるのも魅力だ。まずは来春のキャンプでアピールして支配下登録を勝ち取るところからのスタートとなるが、近藤大亮(金銭トレードで巨人へ移籍)、黒木優太(交換トレードで日本ハムへ移籍)、漆原大晟(現役ドラフトで阪神へ移籍)など実績のあるリリーフ投手が移籍しているだけに、一気に一軍定着するチャンスは十分にありそうだ。
先発投手で楽しみなピッチングを見せたのがともにドラフト1位でプロ入りした堀田賢慎(巨人)と小園健太(DeNA)の2人だ。堀田はプロ3年目の昨年、一軍で初勝利を含む2勝をマークしたものの、今年はわずか3試合の登板で0勝に終わり、二軍でも結果を残すことができなかった。