履ける草鞋は何足でも履いたほうがいい
こうした経験から、酒井さんには今でも大事にしている考えがあるという。それは「履ける草鞋は何足でも履いたほうがいい」ということだ。
「そもそも、私はグラビア出身で俳優の世界に入ってもなかなか受け入れてもらえなかったというコンプレックスがあるのかもしれません。一つのことを極める職人気質もすごく好きですし、それこそ俳優のお仕事をいただけるようになったときは、私も『俳優一筋で生きていこう』って思っていました。だけど、私は新しいことにも挑戦していきたいタイプで、履けるものが何足もあるんだったら、カッコよく履きこなしたい。一足を大事に履き続けることよりも、履ける草鞋を何足も持っていたほうが現代的だし、時代に取り残されないと思うんです。人間の才能って一人一つに限られるわけではないし、やれるだけやればいいんだって思っています」
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)
※【後編】<酒井若菜が30代で「まつげエクステ」をやめた理由 「自分の加齢を見せていけるようにならなきゃと思った」>に続く