「杉内は2011年オフにFA権を行使して自らの意思で移籍した。球団側が断腸の思いで戦力外通告をした松田とは違う。球団はいつか戻ってきて欲しい旨を松田本人にも伝えているはず」(ソフトバンク担当記者)
ソフトバンク最終年となった2022年は43試合の出場で打率.204、0本塁打、7打点に終わった松田。9月に戦力外通告をされたが現役にこだわり、自由契約で巨人への移籍が決まった。球団フロントから「(ソフトバンクの)大功労者」と声を掛けてもらったことが嬉しかったとも振り返っている。
「実績がある人格者なので、どの球団も指導者に迎え入れたい。しかし17年間プレーをしたソフトバンクはマッチの帰る家と言える。チームも3年連続リーグ優勝を逃すなど過渡期。1日も早く戻ってきて勝利への執着心や野球の楽しさを後輩に伝えて欲しい」(ソフトバンク関係者)
「たった1年の在籍で若手の信頼を勝ち得てしまったことからも、指導者としての資質の高さが伝わってきた。巨人は中長期ビジョンでの若手育成を掲げている。松田が指導者になってくれることで、巨人の新たな伝統も生まれるはず」(巨人関係者)
今後は解説者として野球を勉強することになるが、本職の分野以外でもすでに才能を発揮している。11月19日の大相撲九州場所ではNHKのテレビ中継でゲスト解説を務めたが、こちらもすこぶる評価が高い。現場に戻らなくとも“高い需要”が常にありそうでもある。
「(現役時代から)どんな時も手を抜かない姿勢は競技の枠を超え様々なアスリートから尊敬を集めた。明るく誠実でテキパキとした語り口は幅広い層に受け入れられると考えての起用だった」(NHK関係者)
しかし「野球を嫌いになったことがない」と断言する男が長期にわたってグラウンドを離れるとは考えにくい。熱男が戻ってくる日は想像以上に早いかもしれない。その時にはどのチームのユニフォームを着ているのだろうか。