最初の会話は就職活動
二人が知り合ったのは、就職活動中のことだったという。
「NHKの試験で一緒になって、同じ大学で女性アナウンサーを目指してるから、『二人は受からへんよな。そやけど、せっかく出会ったし、これからもよろしくな』って住所と電話番号を交換したんです。そしたら二人で受かったんですよ。二人とも大阪での試験だったんですけど、東京で受けていた同期と初めて会ったときには、彼女たちがきれいすぎて、有働と二人で『うちら、どう考えても体力採用やんな』って言い合ってました(笑)」
お互い人気アナウンサーとして比較されたりすることはなかったのだろうか。
「それはなかったですね」
と武内さんは言う。
「『おはよう日本』とか『スタジオパークからこんにちは』とか不思議と有働の番組を引き継ぐことが多かったんです。有働が地ならしか、荒らしかわからないけど(笑)、事前に耕してくれたところに入るということはよくありましたね。でも比べたり、比べられたりってことはなくて。私と有働はそもそも違う人間なので、自分なりの番組を作るということにワクワクしてました」
今は、これまでの「アナウンサー」という肩書をも取っ払ってしまいたいという。
「元NHKアナウンサーとかフリーアナウンサーというのが、あんまりしっくりこないんです。ここからは『武内陶子』という一人の人間として、これまでとは違う分野のこともやっていきたいなって思います」
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)
※【中編】<元NHK武内陶子さんが長女の“胎内記憶”から聞いた「奇跡」 双子誕生前に「ママのおなかがいいって子がいっぱい」>に続く