インタビューに答える「金属バット」の2人(撮影/中西正男)

Mー1で「どん兵衛」を箱ごと”盗む”

 あと、今年9月から日清食品の「どん兵衛」のCMをやらせてもらってまして。これも、自分でもびっくりしましたね。

「M-1グランプリ」の予選会にケータリングとしてスポンサーさんの日清が「どん兵衛」を置いてくれているんですけど、ワシがホンマに金がなくて飯がなかったので、それを盗みまくっていたんです(笑)。

 基本的には「どん兵衛」を二つ袋に入れてくれるんですけど「もう一つもらっていいですか?」と尋ねたらスタッフさんが「どうぞ」と。食料として本当に助かるし、スタッフさんにどこまでもらえるのかたびたび聞いていたら、これはかなりいけるぞと。だったら、箱ごと持って帰ろうかと。

 こっちとしたら“金脈”を見つけたようなもので、その盗んでいくサマをSNSにアップしていたりしたら、逆に日清から「箱ごと愛してくれてありがとう。」と「どん兵衛」の公式アカウントを使ってお礼を言われたんです(笑)。そこから正式にCMの話までもらって。

 あれで金のない正月も乗り切れましたから純粋に助かっていたんですけど、最後はCMをくれるというオチまで日清がつけてくれました。ホンマにエエ会社ですよ。「どん兵衛」を盗んでたら、お礼を言われてCMももらえる。盗むという行動から、こんなことになるなんてね。すごい流れです。100年後、ことわざになってますよ。

小林:それくらい、インパクトはありましたね(笑)。

友保:なんとかね、ここまでやってきましたけど、恩人というか、ずっとお世話になってきたのが三浦マイルドさんです。インディーズ時代からお世話になってまして。

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三浦マイルドの「目が血走った」瞬間